メディアの呪縛が解けない双葉病院
〈空き袋・布団・排泄物…生々しく残る双葉病院、混乱の跡〉
2年前の2019年3月12日、そう題された震災記事が朝日新聞に掲載された。ウエブ版のコピーを手にしながら、双葉病院(医療法人博文会)の総務課長だった宍戸孝悦(43)は語った。
「毎年、この時期には震災関連の取材申し込みがあり、できる限り協力してきました。朝日さんも熱心でした。ただ、このときは記事を読んだ人から酷いことを言われました。『おまえらはあんな劣悪な環境で患者に接していたのか』と。10年前の事実をわかっていれば、そんな言葉は出てこないはずですが、記事をそうとらえている人がいる。報道はやはり恐ろしい、と改めて感じました」
宍戸は現在、博文会事務長だ。実際、くだんの記事を見ると、まず目に飛び込んでくるのが、病院内の写真である。震災直後、電気水道などライフラインが絶たれたあと、双葉病院の患者たちは救助に取り残された。記事は19年に窓ガラス越しに撮影した療養棟の写真を載せ、こう書く。
〈患者が身を寄せたガラス張りの広間には、30枚以上のマットレスが敷き詰められていた。掛け布団や毛布、シーツはぐちゃぐちゃで、飲みかけのペットボトルやカステラの空き袋、むしられたトイレットペーパーが散らかり、排泄物のあともあった〉
(以下略)
震災から10年、感慨深いものがあります。
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