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2021-04

携帯電話料金引き下げ「菅政権」のチグハグな言い分

 菅政権の看板政策である携帯電話料金の引き下げ要請には、根本的な矛盾をはらんでいます。市場競争原理主義の菅さんやその経済ブレーンたちは、あたかも大手3社による寡占状態が携帯料金の高止まりの元凶であるかのように非難しています。それが既得権益であり、打ち破らなければならない、と。
 その一方、携帯の電波は公共インフラなので、これを利用する業者は極めて公的事業の性格が強いと言います。したがって3社が政府の言うことをきかなければ電波使用料を引き上げるぞ、とブラフをかけています。自由競争を謳いながら、完全な規制の強化。いったいどっちをやりたいのでしょうか。
 携帯料金が下がるのは誰もが歓迎するのでキャッチ―な政策ではあります。菅さんは楽天のような新規参入業者の意見を聞き入れ、料金を引き下げることができる、と単純に考えているのでしょうが、そう簡単ではありません。ことは障害のない電波の安定供給、さらにこの先の通信事業に対する国家戦略の問題でもあります。
 携帯料金は電力の自由化問題と似ていいます。たしかに公共性の強い業種であり、だからこそ規制も必要。欧米のように自由化した挙句に新規参入業者か淘汰され、逆に寡占化して電気料金が高止まりする危険性もある。単に人気が出るから、というだけの政策では行き詰ってしまいますよ。
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森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)、「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)など。最新刊は「ならずもの井上雅博伝 ヤフーを作った男」(講談社)。2021年「鬼才 伝説の編集人齋藤十一」刊行予定

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