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2020-09

週刊ポスト「新宰相の父菅和三郎」

 今週号の週刊ポストに菅首相の実父和三郎氏のことを書きました。

「雪深い秋田の農家の長男として生まれ、地元で高校まで卒業いたしました。卒業後、すぐに農家を継ぐことに抵抗を感じ、就職のために東京に出てきました」
 3人の候補者のうち、最も遅く自民党総裁選の出馬表明をした菅義偉は、9月8日の所信発表演説会でそう切り出した。貧農村の田舎者が東京に出て苦労を重ね、日本の総理大臣に手が届く地位までたどりついた……。そんなサクセスストーリーのアピールが功を奏したに相違ない。菅内閣の支持率は60~70%台にのり、憲政史上3番目の人気で船出した。
もっともこの苦労人物語には、虚飾が混じっている。さすがに気が引けたのか、近頃は上京の説明で「集団就職」というフレーズを使わなくなった。2019年4月まで自らのホームページの「すが義偉物語」の〈「自民自身の力を試したい」と思い立ち、集団就職で上京する〉とあった記述が、現在は〈……と思い立ち、家出同然で上京する〉という具合に変わっている。
 菅自身は高校の卒業時に東京の段ボール工場の働き口を斡旋されたから「集団就職」だと言ってきた。が、中学を卒業して大勢で就職列車に乗り込んで上京するそれとはだいぶ異なる。(以下略)
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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)、「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)など。最新刊は「ならずもの井上雅博伝 ヤフーを作った男」(講談社)。2021年「鬼才 伝説の編集人齋藤十一」刊行予定

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