東京都医師会尾﨑会長の提言
8月の今現在、東京都内にはコロナの入院患者が1400~1500人おります。現状では一つの病院が10~20人の患者さんを引き受けていますが、仮に2000~3000病床のコロナ専門病院が一つあれば、すべて対応できるわけです。すると、患者さんも他の病院も安心して任せられる。いい方はよくないけど、チマチマ対応するのではなく、東京に大きなコロナ専門病院をつくる。それが急務です。
東京都医師会の尾﨑治夫会長はそう話し始めた。日本で最も感染者の多い都道府県の医師会長として、この半年間の政府のコロナ対策を見ていて黙っていられない、と激白する。
コロナ発生前の東京都には、感染症指定病院に118床のベッドがありました。もとはエボラ出血熱など致死率の高い患者の対応病床です。ウイルスが外部に漏れないよう病棟内の陰圧を設定し、スタッフもきちっと訓練されている。
むろんコロナ対応にはこれだけでは足りないので都の要請により2800床を目指し、100カ所ほどの病院に声をかけ、実際に確保してあるのがだいたい2400床。ところが、その大半は感染症専門ではなく、コロナ病棟を急ごしらえしてきた。それぞれの病院で患者さんが増えると、入院調整でテンヤワンヤです。10床しかないから知り合いの病院に電話するが、そこもすぐに埋まり、入院が滞ってしまう。
それが現状です。だから公的な病院が中心になり、コロナ専門病院をある程度の規模感でつくる。東京都の病院が総力戦で臨み、そこにスタッフを派遣すればいいのです。(以下略)