安倍官邸VS検察「定年延長」の内幕
宮内庁のホームページを開くと、「認証官任命式」という表示がある。こう説明している。
〈任免につき天皇の認証を必要とする国務大臣その他の官吏(認証官といいます)の任命式です。任官者は内閣総理大臣から辞令書を受け、その際、天皇陛下からお言葉がある〉
霞が関の高級官僚である事務次官といえど、ほとんどが認証官ではない。一方、検察庁トップの最高検察庁の検事総長と次長検事、そして八つの高等検察庁の各検事長がそれにあたる。特別に位置づけているポストだ。
宮内庁は検事総長や検事長の認証式のため、あらかじめ天皇のスケジュールを確保しておかなければならない。天皇拝謁の前に内閣の閣議決定があり、検察庁はそれまで最短でも三週間前に本人へ内示し、周囲が任官準備を始める。それが通例だった。
だが、今度は様子が違った。東京高検検事長の黒川弘務は二月八日の六十三歳の誕生日を持って検察官の定年を迎える。新たな検事長の交代に備え、年の初めにはその内示があるはずだった。だが、松の内が明ける一月七日の初閣議前になっても、内示がない。動きがまったくなかったのである。(以下略)
いわく因縁深い経緯――。