なりものヤフー・井上雅博伝㉖「究極の道楽」
世界中のゴルフファンが憧れる米カリフォルニア州のペブルビーチ・ゴルフリンクスは、折しも開業一〇〇年を迎えていた。節目の二〇一九年六月に開催された全米オープンゴルフは、新鋭のゲーリー・ウッドランドが最終ホールで優勝パットを決め、幕を閉じた。
その一八番ホールに現代の富豪たちが集結したのは、全米オープンの二カ月後の八月一八日である。彼らの目当てはゴルフではない。「二〇一九ペブルビーチ・デリガンス」だ。太平洋に面して弧を描く一八番のフェアウェイに、三〇〇台の名車がところ狭しと並んでいる。そのクラッシックカーコンテストは、壮観という以外に言葉が見当たらなかった。
ペブルビーチについてはバブル最盛期の一九九〇年、日本のパチンコ業者熊取谷稔が八億四〇〇〇万ドルで買収して話題になったこともある。しかし、優に千人を超える一九年のコンテストには、日本人はおろか、アジア系の入場客もあまり見かけなかった。
(以下略)
恐ろしく贅沢な趣味。