87歳「暴走老人」と日産「ゴーン」逮捕・身柄拘束の意味
被疑者を逮捕・身柄拘束するのは、逃亡や証拠隠滅の恐れがあるからだ、とされます。たとえば87歳の暴走老人のケースでは、逮捕されてしかるべきでしょうが、警察はすでに証拠を固め、当人も病院にいるので逃げる恐れがなく逮捕の必要なしと判断したといいます。が、自殺する恐れもあります。自殺も罪から逃れる広義の逃亡といえ、そうなれば警察の失態。
一方、日産のゴーン前会長について東京地裁は、妻をはじめとした事件関係者との接触を禁じたうえで保釈を認めました。だが、換言すると、裁判所は証拠隠滅の恐れありと自覚していながら、自由にしたという話。これをもって人質司法の在り方を見直したと評価する向きもあります。が、そもそも保釈理由が成立していないのではないでしょうか。
日本人はとかくグローバルスタンダードという言葉に弱いけれど、事件を見るにつけ、問題をまぜこぜにしているだけのように感じます。日本独自の司法判断があってもいい、と常々思うのですが。