「加計ありき」の考察
〈加計学園問題「1校限定」どこへ〉
加計学園の獣医学部新設が取り沙汰される四国の今治市を取材している最中、7月17日朝刊の愛媛新聞に掲載された記事を読んだ。2度目の国会閉会中集中審査で、安倍晋三首相がどう説明するか――。マスコミはことさらそこをクローズアップする。なかでも「加計ありきだったかどうか」「首相官邸の圧力、関与があったかどうか」、メディアはその解明を叫ぶ。
が、当の地元を取材してみると、どうも問題意識に温度差を感じる。愛媛新聞にあるのと同じく、今治市で国家戦略特区に携わってきた関係者は、「なぜ今になって政府の方針が変わったのか」と首を傾げるのである。(中略)
今治市の元幹部はこう本音を吐露した。
「今頃になって加計ありきかどうか、なんて騒いでいるが、それは当たり前。我々は、安倍総理が後ろ盾になって加計学園の獣医学部新設を応援してきたからこそ、ここまで来れたと認識しています。友人がいいことをやっているので、特別に規制を緩めたといえば済む話。それを、今になって他の大学にも獣医学部をつくるなんて言い出している。仮に京都にできれば、こっちには学生が来なくなるのでは」
とどのつまり、今治市は依怙贔屓されるからこそ、獣医学部開設にうま味があると考えてきたのだという。
もう少し議論を深めてもらいたいものです。