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2014-03

なぜこんな袴田裁判がまかり通ってしまったのか

 袴田巌さんの死刑判決の再審決定報道を見ていると、あまりの酷さに思わずこうつぶやいてしまいそうです。袴田裁判では、問題の5点の衣類について、証拠開示された結果、証拠のねつ造がはっきりして再審決定の道が開けたように報じられています。が、この事件は、単に警察や検察の捜査問題や証拠捏造という時限を超えてしまっているように感じます。
 一審の裁判官がメディアに登場し、当時の判決状況を振り返っています。自責の念から退官されたようですが、他の判事たちはこれほど杜撰な証拠や捜査を目の前にし、いったい何を考えたのでしょうか。日本の司法界は、裁判所と検察が一体化し、司法の独立はない、と日ごろから指摘されています。それはその通りでしょうが、そこにはある意味、治安を守るという正義感と信頼関係が根底にあったはず。しかし、この事件を見ると、その正義を微塵も感じません。情けないというほか、言葉が見当たりません。

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)、「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)など。最新刊は「ならずもの井上雅博伝 ヤフーを作った男」(講談社)。2021年「鬼才 伝説の編集人齋藤十一」刊行予定

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