文藝春秋に「自民党・新族議員研究」を寄稿
それはまるで、自民党政権の誕生を先取りして開かれた決起大会のような会合だった。
「日本を強くしなやかに」――。
ホールのひな壇に大きく掲げられた横断幕には、会合のキャッチフレーズが墨文字で大きく書かれている。その文字の下には、目立つように赤い下地に白抜きで「国土強靭化」とあり、さらに紫色の「出版記念会」という文字が躍っていた。
二〇一二年七月五日午前十時ちょうど、自民党の国土強靭化総合調査会が主催する出版パーティが、党本部八階の大ホールで始まった。本の題名は横断幕通りの「国土強靭化 日本を強くしなやかに」である。
といっても、会場の雰囲気は政治家の出版パーティなどでよく見かける立食のそれではない。一段高いステージの隅で元国土交通副大臣の林元雄が司会進行役を務め、会の主要メンバーが白いテーブルクロスのかけられた席にずらりと並んで座った。
公共事業と規制緩和の2本柱で成長戦略を描く安倍晋三政権。過去の自民党政権とどこが異なるのか、そこを中心に分析してみました。長くなりますので、続きは本編でどうぞ。