週刊ポスト「橋下徹研究」連載スタート
大阪市の乗っ取り屋――。
そんな過激な発言が飛び出したのは、六月十八日に開かれた大阪市議会財政総務委員会の議場だった。質問に立った自民党の市議、太田勝義。大阪市議からこう罵倒されたのが、大阪府知事の橋下徹である。
「人を騙せても、天までは騙せない。必ずや鉄槌が下る」
とかく話題の尽きない大阪府知事。知事就任以来八割をキープしてきた支持率が、七三%(朝日新聞)に落ち着いたが、人気の高さに変わりはない。
そんなスター知事が、今度は「大阪都構想」をブチあげている。こかつて東京市が東京都になったように、大阪市を大阪都として、行政組織を改めようという発想。これまで唱えてきた道州制から、舵を切った格好だ。
道州制も都構想もさして変わらないように受け取る向きもあるが、決してそうではない。それだけに、大阪市は猛反発しているのだ。
「全く根拠が違うもの(東京都)を同じような比較の材料としている。市民を愚弄している話だ」
初回は「大阪都構想」の目論見について検証しました。