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2021-04

文春オンライン「泥のカネ」③「事件のはじまり」

 文春オンラインで拙著「泥のカネ」をご覧になれます。今日は3回目と4回目。

始動――東京地検特捜部「裏金捜査」の端緒
 水谷建設元会長の水谷功が、三重県の県庁所在地にある刑務所をあとにしたのは、小沢一郎事務所に対する裏献金を告白してから、およそ半年後、2010(平成22)年3月のことである。この間、小沢はみずからの秘書たちが政治資金規正法違反に問われて次々と逮捕され、政治家としての足元が危うくなるが、東京地検は本丸の立件を見送っていた。政治とカネ問題の解明を期待された特捜部の捜査は急速にしぼんだ。
 そして小沢が嫌疑不十分で不起訴になってからおよそ2カ月後、平成の政商と呼ばれた男が、再びゼネコンの世界に舞い戻る。水谷がつけた疑惑の炎は、消えてはいなかった。
 水谷は出所後の挨拶まわりを兼ね、三重と東京を往復していた。私が初めて本人と会ったのは、そんなときである。平成の政商は、非常に多忙な様子だった。
「ああ、あんたが森功さんかいな。刑務所のなかであんたの本を読んどったわ」
 名刺を受け取るなり、そう言う。事前に津の刑務所にいる本人宛に、近著の『同和と銀行─三菱東京UFJ“汚れ役”の黒い回顧録』を差し入れていたので、読んでくれていたのだろう。おかげで、すぐに打ち解けることができた。
「刑務所は、ダイエットできるわ」
 水谷功は以前に比べ、体重が10キロ以上落ちたと笑った。(3回目の冒頭、以下略)
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「黒い看護婦」をトリハダで再現

 本日午後7時からテレビ朝日の「トリハダスクープ」で、福岡の看護師4人組の連続保険金殺人事件が取り上げられる予定です。題して、「黒い看護師4人組 2億円保険金連続殺人事件」。ご存じのように、テレビでは大竹しのぶさんの主演ドラマをはじめ、これまで何度か扱っていただきましたが、制作スタッフが、以前のものよりいい出来、だと胸を張っていましたので、期待しています。

帝京を止められるか「早大ラグビー部」の「次期監督」

 未確認情報で恐縮ですが、早大ラグビー部の次期監督にあの山下大悟の名前が浮上しているとのことです。山下といえば、2000年代前半の大学ラグビーのスーパースター。ウイングやセンターで大活躍し、当時の宿敵、関東学院の原口監督から、山下は大学レベルでは止められん、と言わしめました。清宮監督が就任したころのキャプテンだったと思います。
 その後、サントリーサンゴリアスでもキャプテンを務めていましたが、怪我になかされ、NTTコミュニケーションから日野自動車とチームを転々。現在も現役ですが、同時に早大ラグビー部のヘッドコーチに就任しました。帝京の独り勝ちといわれる大学ラグビーになんとか風穴をあけてほしい。そうでないと、W杯が心配です。

ドラマになる「黒い看護婦」

 拙著「黒い看護婦――福岡四人組保険金連続殺人」(新潮文庫)が、フジテレビの2時間ドラマになりました。2月13日金曜日午後10時からの「赤と黒のゲキジョー」。看護婦4人組のメインキャストは、大竹しのぶさん、寺島しのぶさん、坂井真紀さん、木村多江さんという豪華な顔ぶれです。昨年、撮影現場に顔をだし、女優さんたちの演技を目の当たりにさせていただきました。
 皆さん、想像以上にお綺麗で、さすがプロというほかない、自然な演技と迫力に圧倒されてしまいました。私自身、まだドラマを見ていませんが、期待できると思います。フジテレビのキャッチどおり、「豪華女優の魂のぶつかり合いと戦慄のストーリーから目が離せない!」。ぜひご覧ください。

京都連続不審死事件と黒い看護婦

 直木賞受賞後の作品となった黒川博行さんの「後妻業」(文藝春秋)が京都の連続不審死事件と似ていると話題になっていますが、本の中で拙著「黒い看護婦」(新潮文庫)が参考文献として記されています。で、京都の筧千佐子と福岡の吉田純子、共通点を探してみると、千佐子は佐賀県生まれで北九州で育ち、純子は柳川という九州北部の出身。犯行の手口は青酸化合物の混入とアルコール注射と少し異なりますが、ともに稀代の怪女であることは間違いないでしょう。
 さらに林眞須美や木島かなえ……。いずれも大した美貌の持ち主ではないところが共通点といえば、そうでしょうか。ともあれ黒川さん、拙著を参考にしていただき、恐れ入ります。

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プロフィール

森功

Author:森功
福岡県出身のノンフィクション作家。08年「ヤメ検」09年「同和と銀行」(ともに月刊現代)の両記事で2年連続「雑誌ジャーナリズム賞作品賞」。18年「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)が大宅壮一ノンフィクション賞受賞。
主な著作は「サラリーマン政商」(講談社)、「黒い看護婦」「ヤメ検」(ともに新潮文庫)、「許永中」「同和と銀行」(講談+α文庫)、「血税空港」「腐った翼」(幻冬舎)、「泥のカネ」(文藝春秋社)、「狡猾の人――防衛省を食い物にした小物高級官僚の大罪」(幻冬舎)、「なぜ院長は『逃亡犯』にされたのか――見捨てられた原発直下『双葉病院』恐怖の7日間」、「大阪府警暴力団刑事『祝井十吾』の事件簿」(講談社)、「平成経済事件の怪物たち」(文春新書)、「紛争解決人 世界の果てでテロリストと闘う」(幻冬舎)、「現代日本9の暗闇」(廣済堂出版)、「日本を壊す政商 パソナ南部靖之の政・官・芸能人脈」(文藝春秋)、「総理の影 菅義偉の正体」(小学館)、「日本の暗黒事件」(新潮新書)「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」(講談社)、「悪だくみ 『加計学園』の悲願を叶えた総理の欺瞞」(文藝春秋)、「地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団」(講談社)、「官邸官僚 安倍一強を支えた側近政治の罪」(文藝春秋)など。最新刊は「ならずもの井上雅博伝 ヤフーを作った男」(講談社)。2021年「鬼才 伝説の編集人齋藤十一」刊行予定

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